けいおん!!とサザエさん時間軸の仁義なき戦い

12月13日、ニコニコ生放送にてけいおん!2期が一挙公開される。

現在、地球上で確認されている数少ないヒト科天使の平沢唯さん

現在、地球上で確認されている数少ないヒト科天使の平沢唯さん

 

僕はけいおんを愛している。
かれこれ10数年前にボーイフレンドを歌うaikoを見たときに「地球に天使っているんだ!!」とひどく驚いたが、けいおん!との出会いはその衝撃を彷彿させるあるいは凌駕する感動が僕の中に走った。

けいおん!という霊長類が創造した奇跡のようなアニメ作品は大きく1期、2期、そして映画けいおん!に分類される。1期の革命的な魅力については以前述べたとおりであるが、1期の感動を、愛を、青春を、補強し、新たなエッセンスを加えるのが2期にあたる「けいおん!!」である。

忙しい日々の中で他に書かなければいけないことが沢山ある気はするが、ほとばしるけいおん!への愛をもとにけいおん2期の魅力の一部を全人類に説いていきたい。

 

【改めてけいおん!!について】
改めて、けいおん!!とは、私立桜が丘女子高等学校の軽音部の部活動を描いたストーリーになる。2期では、平沢唯ら天使4名が廃部寸前、要は上級生の誰もいない軽音部に入部して最後の1年となる3年生時代の彼女たちの軌跡を描いている。

まず、1期と2期の単純な違いとして話数がある。
1年生2年生時代を描いた1期が全13話なのに対して、3年生のみを描いた2期は全26話と倍のボリュームで展開される。かつて、ヤンキーマンガの金字塔「ろくでなしブルース」も全42巻中高3の時間が半分ほどを占めるという「高3の1年間は他の時間の数倍の濃度」という手法をとっていたが、けいおん!!においても同様に濃密な時間が物語内に流れる。

そんなボリュームたっぷりの2期けいおんは、第1話「高3!」から1期ではなかったある予感を匂わせてスタートする。1期との違い、それは「楽しい時間の終わり」である。物語は卒業を前提に構築され、終焉を、別れを、各所に予感させる構成となっている。

1期同様に大体の時間は物語がないように見え、場合によってはフラストレーションが溜まるストーリーとなるが、注意してみると物語の至るところに1期にはなかった終焉のかけらが散りばめられている。彼女たちは、15歳の4月に入学、3年後の3月には卒業の学校という空間と時間において、近づく終わりと別れを意識するようになる。彼女たちの青春は、彼女たちとの意思とは別の暴力によって終らせられようとする。

けいおん2期においては、この終焉に対して2つの回答を用意しており、そのひとつがサザエさん時間軸からの脱却である。

アニメ界において、サザエさん・ちびまるこちゃんら数少ない先鋭にのみ許された永遠に挑戦する天使たち。

アニメ界において、サザエさん・ちびまるこちゃんら数少ない先鋭にのみ許された永遠に挑戦する天使たち。

 

【けいおんとサザエさん時間軸の戦い】
けいおん2期は、終焉を散りばめたものであるものの、どこかでけいおん的日常が永遠に続くような錯覚や期待を持たせる作りとなっている(このバランスがまた絶妙である!)。鑑賞者は、けいおんは同じ学年で年をとらないまま卒業せずに、登場人物も変わらないまま、春夏秋冬を延々と繰り返すサザエさん時間軸の物語なのではないかという淡い思いを抱く。

そして実際にサザエさん時間軸への突入を強く予感させる。そしてその上で、それをばっさりと否定する。
けいおんの時間は動いており、年もとるし、関係も変わっていくよ、ということを鑑賞者に最も残酷な形で突きつける。

 

けいおん2期も終盤に近づく20話「またまた学園祭!」がその話にあたる。
彼女たちは、高校最後の学園祭を大成功で終えた後の興奮冷めやらぬ部室でこんな話をする。

 

天使の唯さん「この後何する?」
天使のあずにゃん「ケーキが食べたいです!」
天使の唯さん「じゃあ、ケーキを食べてから次のことを考えよう」
天使の澪さん「次はクリスマスパーティだよな」
ムギ「その次はお正月ね!」
天使のあずにゃん「初詣に行きましょう!」

 

と、ここまでの現実的な会話を土台として

天使の澪さんが「それから次の新歓ライブか」とつぶやく。
予定されている卒業を超越して、来年も同じ時間が流れるかのような話を始める。

澪の一言を発端として彼女たちはサザエさん時間軸突入への挑戦を始める。

次の新歓ライブをどうしようか、また部室に泊まろうか、と話は盛り上がり、さらには夏の予定にまで広がっていく。夏になったら合宿だね、とこれまでと変わらない楽しい時間への期待を露わにする。

この彼女たちのあたかも来年も高校生活が続くかのような会話により、これまでの終焉フラグに打ち勝ちサザエさん時間軸に突入したのではないかと期待を抱く。あるいは、この流れにガッツポーズをしたけいおんを愛する視聴者もいるのではないだろうか。

 

しかし、この後にサザエさん時間軸への期待と挑戦は完全に打ち砕かれる。

 

部長の律が「次はもうない」と終わりを告げる。
青春時代の終わりである。律は「高校でやる学園祭はもうないの」と涙ながらに続ける。
部長 律の言葉に号泣し、終わりを拒絶するメンバーたち。しかし、この瞬間に20話かけて準備された仕掛けが解かれることになる。

終焉か、永遠か。
20話を境にして物語は終焉に大きく傾く。視聴者もけいおんメンバーも、けいおんの世界がサザエさん時間軸ではなく、終焉のある世界であることを強く認識させられる。
そしてここから先の残された時間(話数)は、確実に来る終わりに向かって流れる時間へと変わっていく。

 

けいおんはそれまで積み上げてきた矛盾やイライラを一瞬で瓦解させるカタルシスが大きな魅力の一つであり、製作者が意図して作った大きなカタルシスは前回説明した一期最終回と、今回の学園祭の回、そして二期最終回の大きく3回あると思う。

どれも甲乙つけがたいが、学園祭の回には全主要キャラクターの成長や心情の変化が詰まりに詰まってる。全キャラクターを満遍なく愛する場合はこのシーンがけいおん最大の名場面となるのではなないかと思う。

 

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と、サザエさん時間軸からの脱却をここまでで説明した。
僕のけいおんへの愛が強すぎるせいか、予定したよりも文量が多くなってしまったので、今回はここまでにして、時間があったらけいおんの終焉に対するもう一つの回答についても記したい。

ということで、まだけいおんを見ていない皆様はぜひぜひニコ生けいおん一挙放送をご覧ください(*^o^*)

菅谷圭祐 について

菅谷です、三十路です。 連絡先 09075254766 sugayakeisuke@gmail.com
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